herusupuromooshonn

2021年8月5日2 分

学生さん、トレーナーさん向けのお話

今回はエネルギー供給機構についてです。専門的な内容ですいません。。。。

運動とエネルギー供給機構

Ⅰ:ATP-PCr系(嫌気的)

100m走、25m泳、ウエイトリフティング等の極めて短期間で大きなパワーを必要とする運動でのエネルギー供給

※体内で即座に大きなエネルギーを必要とする場合

体内(骨格筋内)に蓄えているATPおよびクレアチンリン酸(PCr)(※これらをホスファゲンという)から即座に莫大なエネルギーを得られる。

しかし、最大運動で直ちに枯渇してしまう。実際には数秒(6~8秒程度)。

Ⅱ:解糖系(嫌気的)

酸素供給や酸素利用ができない状況下や400m走、100m泳、サッカーなどのスプリントの繰り返し競技などの場合、ATP-PCr系では運動に必要なエネルギーを全て供給すること困難である(数秒間しか持続できないため)。この場合、体内に蓄えているグリコーゲンから無酸素状態で素早くエネルギーを供給することができる。これを解糖系とよんでいる。これにより数十秒(最大運動で33秒程度)の運動が可能となる。

Ⅲ:有酸素系(好気的)

高強度運動が持続不可能な長時間運動においては酸素を利用したエネルギー供給機構が働く。この場合、糖質、脂質、タンパク質(主に糖質と脂質)を利用してエネルギーが持続的に長時間供給される。酸素を利用したエネルギー供給は体内(主に骨格筋)が十分に酸素を利用できる状態である必要がある。この有酸素系は極めて長時間にわたりエネルギーを供給し続けることができるが、デメリットも存在する。

①有酸素系が十分に機能するまでに少なくとも数分間の時間が必要なため、素早いエネルギー供給ができないこと。

②脂質を利用してエネルギーを供給する場合、糖質に比べて脂肪は分解速度が遅いため高出力(高強度運動)を発揮できない。

③運動強度(高強度運動)が上がってくると有酸素系は十分に機能し難くなる(酸素供給量が間に合わなくなるなどの理由)。

等のデメリットがある。

ちなみに、ダイエット等で脂肪の分解を目的したトレーニングを実施する場合は低強度の運動を長時間実施(1時間以上の運動)することが望ましいとされています。これは、脂質はもともと低強度でのエネルギー供給に向いていると考えられることと、グリコーゲンの方が体内での貯蔵量が少ないために、運動の後半(終盤)にはグリコーゲンが枯渇し運動に必要なエネルギー源の80%は脂質を利用するためです。(※グリコーゲンの枯渇はパフォーマンスの低下になることに注意)。

今回は勉強中の学生さんやトレーナーさん向けのお話でした。

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