こんにちは、ヘルサポの嶋田です。
今日は、私が整骨院勤務時代に経験した様々な不正についてご紹介します。
私が整骨院で勤務していたのは今から20年以上前の話ですので現状の不正と若干の違いがあるかもしれませんが、多数の業界の方とお話して現在でも行われているようなので今回は整骨院、接骨院の不正についてお話します。
先ず最初に整骨院や接骨院の不正は基本的に保険金詐欺です。国民皆保険制度を悪用して保険料や税金を詐取する方法です。
整骨院や接骨院で保険が適応になるのは明らかなケガのみです。転んだ、ぶつかった、捻ったなど明らかに原因がありその原因により急激に痛みがでたものが対象です。もう少し簡単にいうと患部を固定をしたり安静しないといけないものが保険適応と考えて下さい。それ以外の痛みはすべて保険適応外です。気が付いたら痛くなった、慢性的に痛いものはすべて保険の適応外となります。さらに内科的疾患からくる痛みは絶対に接骨院や整骨院では診ることはできません。そもそも整骨院や接骨院で働いている柔道整復師という資格の取得者は内科的な疾患に対する専門教育をほとんど受けておらず総合病院での研修も一切行っていないので内科的疾患に対する知識は一般人とほとんど変わらないか多少知っている程度と考えて差支えありません。
それでは不正用語について説明いたします。
①「部位足し」
例えば患者さんがぎっくり腰などで腰が痛いといって来院してきたとしてください。この場合、重いものを持った瞬間に急激に痛くなったとすれば保険の適応となります。
通常は「腰部捻挫」と判断されて腰に対する施術は保険適応です。しかし腰の施術代金だけだともらえる保険金が少ないので、なんだかんだと屁理屈をこねて「この腰の痛みの原因は肩からきている!」と言い出し肩も悪いことにして、腰と肩の2か所に対して保険金の請求をすることがあります。当然これは不正請求です。保険申請が認められるのは急性症状(痛みや腫れ)のある部位のみです。
②「〇足し」
例えば月に10日来院していた患者さんがいたとします。この場合、当然10日分の施術代金が保険組合から支払われます。しかし患者さん本人は10日通ったのか9日通ったのかしっかり覚えている人も少ないです。そこに目をつけて10日ではなく11日通ったことにするれば1日分の保険料を多くもらえることになります。簡単にいうと「水増し」のことですね。私の時代は通院日に「〇」をつけていたので「〇足し」と呼んでいました。ひどい場合は10日なのに20日とか25日分を請求していた猛者もいたと聞いたことがあります。
③「部位転がし」
整骨院、接骨院で保険が使えるのは先ほども説明した通り原因のはっきりしたケガです。ケガというのは基本的に健常者であれば長くても3か月程度でほとんどの場合が治ります。なかには痛みが残ってしまい何年も痛みが継続することもありますが、この場合は「症状固定」といってこれ以上治療を継続しても治療効果が認められないと判断して保険治療が終了する状態をさします。この場合は保険ではなく障碍認定等の手続が必要です。症状固定がありますので整骨院や接骨院に同じケガで1年も2年も通うことはできません。しかし実際は数年にわたり整骨院、接骨院に保険を使って通っている事例が見受けられます。この時整骨院、接骨院側は新たなケガをでっち上げるのです。当然不正請求です。例えば肩のケガで数か月通院したら今度は腰や膝などをケガしたことにして継続的に通院できるようにするのです。ひどい場合はこの方法で数年以上ずっと架空のケガしていることにしている事例もあると聞いたことがあります。日本では特殊な環境で生活してる極一部の人を除いて常にケガをし続けることはありえません。また事実であったとしても特殊な環境が職場の場合は「労災」ですので健康保険を使った場合は違法になりますので覚えておいてください。
※労働災害は健康保険を使った医療行為が認められていません。
④架空請求
これは説明の必要がないほどの不正請求ですね。整骨院、接骨院の場合はよくあるのが、知人や親せき、親しい友達などに頼んで、整骨院や接骨院に通っていることにしてもらい、その方達の保険証を借りて保険請求することですね。ただの詐欺罪ですね。
細かく説明するとまだいくつか不正請求の手法はあるのですが、今回は大きく4つ紹介いたしました。健康保険は私たちの税金や保険料から賄われています。整骨院、接骨院側が一方的に不正請求をしていたのであればまだ利用者(患者)側は罪に問われる可能性は低い(0ではありません)ですが利用者(患者)側も理解していた場合は利用者側も罪に問われる可能性は十分にありますのでご注意ください。
