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2021年12月27日4 分

鍼灸師や柔道整復師の未来予想

 現在、鍼灸師や柔道整復師として働いている人数は鍼灸師が12万人程度、柔道整復師が7万人程度と言われています。

 この数が多いのか少ないのかは、後でまとめるとして、

2008年の時点では鍼灸師が8万人程度で柔道整復師が4万人程度でした。

ちなみに業務が類似している理学療法士も現在12万人程度が働いているといわれています。※理学療法士も2008年の段階では6万人~7万人程度と言われています。

 確実に鍼灸師や柔道整復師、そして理学療法士の数は増えているのです。

さらに、国家資格を有していない、整体師、エステシャン、スポーツトレーナー、スポーツインストラクター数も年々増加しているといわれています。※正確な数は分かりませんがエステシャンだけでも3万人程度いると考えられています。すべて合わせれば10万人以上はいると思われます。

 客観的に数字からわかることは確実に業界全体の就業者人数は増え続けているということです。高齢化社会で健康への関心は高ったているので需要が見込めるのは事実かもしれません。しかし供給過多になっていることも事実として受け止める必要があると思います。

 今後の業界を左右する一つのターニングポイントとして2025年問題があります。これは団塊世代の高齢化問題であり、2025年を境目に戦後のベビーブームの時に生まれた方が75歳の後期高齢者になり介護費や医療費、社会保障費が大きく膨れ上がることが懸念される問題です。今後は超高齢者社会の本格化が始まり、医療費や介護費が国民に大きな負担を与えると予想されます。そんな時に軽症を扱う整骨院や接骨院での保険適応はかなり厳しくなると考えた方が無難です。また実費診療についても主な利用層である働いている世代の人数が年々減少していくため厳しくなっていくと考えた方がよいでしょう。

 今後、介護需要がさらに高まると予想されますが、需要とともに介護で働く方の給与が上がるのかが一つの課題かもしれません。

 そして、医療費や介護費を少しでも抑えるために健康寿命を延ばすことが求められるかもしれません。

 鍼灸師や柔道整復師は現在流行っている、美容やトレーニング、ダイエットと同時に今後は「健康維持」「健康増進」といった見た目や容姿へのアプローチから内科的に人間の機能そのものを健康に維持するといったことが求められるかもしれません。特に中年世代以降の健康増進とQOL(生活の質)の維持はとても重要な事項になると思われます。

 そのため、筋肉を鍛えたり小顔にするといった外見的なアプローチをする知識、技術から、内臓機能を健康に保つために必要なことはどのような方法なのか、という生理機能的知識が必要になってくると予想できます。

 今後は「痩せる」のではなく「太らない」方法、「筋肉を肥大させる」のではなく「筋肉を衰えさせない」方法など、考え方の転換が必要かもしれません。外見的に綺麗になるよりも長く健康でい続けることが求められる時代になるかもしれません。

 今後の業界は国家資格保有者でも大きく稼ぐことは難しいと思います。それはいくら介護需要が高まっても働く世代の人数が減少すれば、国の収入(税金)は増えないからです。したがって介護業界への税金投入は限られます。そうなると増え続けている国家資格保有者の収入を介護事業のみで賄うには限度があるのです。

 現在、整骨院・接骨院や整体院、エステ、トレーニングジムなどの経営者は多店舗経営が主流です。しかし、いつまでもその傾向が続くとは限らないかもしれません。今後は多店舗経営の方が経営的にも人材確保の観点からも厳しくなるかもしれません。

 整骨や整体、エステ業界などで稼いでいる方法(稼げる方法)がここ2~3年で大きく変わるかもしれませんね。

 特に多店舗経営の経営者やセミナーを主催している事業者の言葉は鵜吞みにせずに、しっかりと熟慮して聞き入れることが重要かもしれません。場合にっては言葉に惑わされないことも必要ですね。

 

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